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平日が弱いの前に確かめておきたいこと

平日が弱いの前に確かめておきたいこと

春が近づくとある種の相談が増える。
ゴールデンウィークの手応えを確かめながら、
その前後の平日をどう埋めるか。
そういう話がこの時期に重なってくる。
現場でよく聞くのは
平日はもともと弱いからという言葉だ。
諦めではなく今までの経験から来ている。
ただその言葉が早く出るほど、
次の手も早く決まる。
値段を下げるしかないという着地に、
思ったより短い時間で向かっていく。

今回はその前に一度立ち止まって、
平日という問題を仮説と検証の形で触ってみたい。

───

まず構造として押さえておきたいことがある。
コロナ後旅館の回復は
他の宿泊業態より遅れている。
都市部のホテルやインバウンドがコロナ前を
超えた施設も出ているなかで、
旅館はまだその水準に戻っていない。
日本人の国内旅行は2024年時点でもコロナ前より約8%少なく1回あたりの泊数は平均2.4泊、
回数は年1.4回という数字が定着しつつある。
短く、少なくが今の旅行の形だ。
①仕事で休暇が取れない
②家族と休日が合わない
が旅行を控える理由の上位にある。
物価高で単価が上昇し家計の余裕も削られている。平日が弱いのはその施設だけの問題ではない。
ただだからといって手が打てないわけでもない。

───

最初に立てたいのは、
需要が消えたのではなく
形が変わったという仮説だ。
以前は平日のベースを作っていた社員旅行や
研修旅行が細った。
ただその需要がゼロになったわけではなく、
目的を持った個人や少人数という形に
分散している可能性がある。
塊で動いていたものが、
粒になって見えにくくなっただけかもしれない。
検証の入口はシンプルで、
直近60日の平日予約をリードタイム別に
並べてみることから始まる。
7日以内に集中しているのか
3週前から動いているのか。
この分布が読めると需要の輪郭が少し見えてくる。

───

次の仮説は平日が動かないのは需要ではなく成立のしにくさが原因だというものだ。
週末は旅に行こうが先にある。
平日は用事や予定が先にあって、
宿はその周辺に差し込まれる。
この層にとって食事時間の固定やチェックインの
制約は選択肢から外れる理由になりやすい。
小さく試すなら、
到着時間の条件を一つ緩めて、
直前予約が動くかどうかを1か月見る。
変数は一つに絞る。
複数を同時に触ると何が効いたかわからなくなる。チェックイン時のひと言や予約コメントで来た
理由を取っておくと次の仮説が立てやすくなる。

───

もう一つ気になっているのは、
平日が動いた日には
共通のパターンがあるという仮説だ。
平日の予約が入った日を並べると、
何かと重なっていることが多い。
地域のイベント、工事の集中、通院の流れ、
出張の多い時期。
天候より周辺のカレンダーとの
照合の方が答えに近い。
これが正しければ、
平日対策は全体を底上げするより、
条件が揃う日に確実に取る設計の方が効率がいい。動いた日に一言メモを残すだけで始まる。
1か月続けるとパターンの輪郭が出てくる。

───

今回はここまでを置いておく。
3つの仮説はそれぞれ独立して検証できる。
どれか一つから始めても構わない。
大事なのは平日は弱いという観察で止まらずに、
何が弱くしているのかを一段掘ることだ。
次はゴールデンウィーク後の動きを同じ視点で触れるつもりだ。
連休明けに止まる理由は平日問題と
地続きだと感じている。

佐藤弘明
佐藤弘明
常務取締役

旅館支援歴16年|集客・ブランド設計・運営改善まで現場密着伴走|旅館業界のリアルな現場から生まれる気づきや宿の未来を共につくるための視点を日々発信しています。

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