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【若旦那・若女将へ】価格を上げると決めたあとに起きること

【若旦那・若女将へ】価格を上げると決めたあとに起きること

いよいよ重い腰を上げ価格を上げようと決めた。
コストを見て、
競合を見て、
価値を見て上げるべきだと判断した。

けれど実際に動こうとすると別の壁が現れる。
さて電話番のスタッフにどう伝えるか。
常連のお客様にどう説明するか。
数字の判断とは違う
人との向き合い方の問題が出てくる。

───

本当にあるあるだが
価格を上げることに現場が
抵抗を示すことは珍しくない。

お客様に申し訳ない。
クレームが増えるのではないか。
自分たちのサービスが、
その価格に見合っているのかなどなど。。

スタッフがそう感じるのは自然なことだと思う。
毎日お客様と接しているからこそ、
価格が上がることへの不安がある。

───

このとき経営者がやるべきことは説得ではない。
なぜ価格を上げるのかその背景を共有することだ。
コストがこれだけ上がっている。
このままでは利益が残らない。
利益が残らなければ、
給与も設備の維持も難しくなる。
数字を見せて状況を伝える。
価格を上げることが宿を守ることであり、
働く人を守ることでもあると伝える。
一方的に決めて一方的に伝えるのではなく、
一緒に考える姿勢を見せる。
それだけで現場の受け止め方は変わってくる。

───

もうひとつ現場に伝えておきたいことがある。
価格が上がるということは、
お客様の期待も上がるということだ。
同じサービスのまま価格だけ上げれば
不満が生まれる。
価格に見合う価値をどこで感じてもらうか。
それを一緒に考えることが値上げの準備になる。
大きなことを変える必要はない。
挨拶の仕方や部屋の清掃の丁寧さや料理の出し方。
小さなことの積み重ねこそが
価格に見合う体験をつくっていく。

───

常連のお客様への対応も考えておく必要がある。
長く通ってくれているお客様ほど、
価格の変化に敏感だ。
言い方はおかしいかもしれないが
以前の価格を知っているからこそ
上がったことに気づく。

ここで大切なのは隠さないことだと思う。
価格が変わったことを正面から伝える。
なぜ変えたのか何が変わったのか丁寧に説明する。
常連のお客様は、
宿のことを理解してくれている人でもある。
きちんと伝えれば受け入れてくれることが多い。
むしろ何も言わずに価格だけ上がっていると、
信頼を損なうことになる。

───

値上げをきっかけに離れていくお客様も、
いるかもしれない。
それは避けられないことでもある。
価格だけで選んでいた
お客様は安い宿が見つかれば移っていく。
けれど宿の価値を理解して選んでくれている
お客様は価格が上がっても残ってくれる。
どちらのお客様に支えられたいのか。
その判断が価格の決め方にも、
伝え方にも表れてくる。

───

値上げは宿の姿勢を問い直す機会でもある。
自分たちは何を提供しているのか。
その価値はいくらなのか。
誰に届けたいのか。
これらの問いに向き合わないまま
価格だけ上げても長くは続かない。
価格を上げるということは自分たちの価値を
言葉にするということでもある。

───

値上げのあとはしばらく
反応を見る期間が必要になる。
予約の入り方はどうか。
客層は変わったか。
口コミに変化はあるか。
思ったより影響がなければ価格の判断は正しかったということになる。
影響が大きければ調整が必要かもしれない。
一度決めたら終わりではない。
市場の反応を見ながら微調整を続けていく。
それが価格と向き合い続けるということだ。

───

価格の話は数字の話であると同時に
人の話でもある。
スタッフとの関係お客様との関係。
その両方を見ながら丁寧に進めていくことが
大切になる。

───

次回は自社予約を増やすために何から始めるか、
その入口について書いてみたい。
値上げを考えたとき一番気になるのは
誰の反応ですか。

佐藤弘明
佐藤弘明
常務取締役

旅館支援歴16年|集客・ブランド設計・運営改善まで現場密着伴走|旅館業界のリアルな現場から生まれる気づきや宿の未来を共につくるための視点を日々発信しています。

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