なぜ自分の強みを信じられないのか?人と宿に共通する課題

自分の強みを活かせと言われる。
そして私も相手には
アドバイスとしてお伝えをすることも多数。
でも実際には、
人も宿もなかなかそれを信じきれない。
これで大丈夫なのか?と迷い、
結局は平均的な安全策を選んでしまう。
なぜそんなことが起きるのでしょうか。
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強みを信じられない理由
①近すぎて見えない
→人も宿も、自分が毎日やっていることは「特別」ではなく「当たり前」に見える。
他者から見れば魅力であっても自分にとっては日常すぎて価値を感じられない。
②比較の罠
→周囲を見渡せば、もっと派手でわかりやすい
強みを打ち出している存在が目につく。
あそこほどではないと思い込んで自分の強みを
過小評価してしまう。
③失敗への恐れ
→尖らせるということは他を切り捨てるということでもある。
その結果選ばれなくなるかもしれないという
不安が強みを信じる勇気を奪う。
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強みの抽出方法
強みは自分で決めるものではなくある意味で
他者から照らされるものだと思います。
① 外から見た声を集める
お客様の口コミ、
同僚のフィードバック、
第三者の評価。
自分では気づけない当たり前が、
他人の言葉ではっきりと見えてくる。
② 継続できていることを探す
続けてきた習慣や、
大きな負担なく提供できているサービス。
努力しなくても自然にできることが、
実は最大の強みであることが多い。
③ 失敗や不便の中に隠れているものを拾う
これしかできないと思っていた制約が、
逆に唯一無二の価値になっている
ケースは少なくない。
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強みを活かすために
抽出した強みを活かすには
信じて尖らせることが必要です。
①小さな実験で確かめる
いきなり全面的に強みに賭けるのではなく、
まずは小さく試しその反応を見てみる。
②伝え方を磨く
強みは存在するだけでは伝わらない。
写真や言葉、
体験の設計を通じてお客様の目線に
翻訳する必要がある。
③不安と共存する
尖らせれば必ず不安は残る。
ただし合う人に響けばいいと割り切れるか
どうかで強みは本当の意味で力になる。
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宿に置き換えると
温泉の質、
料理の方向性、
建物の歴史、
オーナーの哲学。
小さな宿にとってはこれしかないと
思っていることこそ、
お客様がここに来たいと思う理由になる。
にもかかわらず、
近隣の施設に合わせて価格を下げ、
どこにでもあるプランを増やし、
平均的な安心に逃げてしまう。
結果強みがかき消され、
選ばれる理由が曖昧になってしまう。
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強みを信じることは簡単ではありません。
けれど信じられないまま平均に埋もれるほうが、よほど大きなリスクです。
人にとっても宿にとっても、
強みは「外からの声」と「自分の続けてきた日々」の中に必ず存在している。
それを見つけて、
尖らせて、
恐れながらも信じ抜き磨き抜くことが大切だ。
その積み重ねがここにしかない価値を形づくり、選ばれ続ける理由になるのだと思います。

