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宿泊料金の値決めって、どう考えればいいのか

宿泊料金の値決めって、どう考えればいいのか

宿の経営において、
避けて通れないテーマのひとつが「料金の決め方」です。
けれど実際には近隣の相場を参考にとりあえず去年と同じといった形で
決まっていることも多い。
では改めて宿泊料金はどう考えればいいのでしょうか。

感覚だけでは危うい理由

代表的な決め方の一つでもありますが宿泊料金をなんとなくで決めてしまうと2つのリスクが存在している。

当たり前ですがひとつは利益が残らないこと。
原価や人件費、
固定費を考えずに値付けすれば、
稼働があっても赤字になりかねません。

もうひとつはお客様の評価がぶれること。
安すぎれば安かろう悪かろうと思われ、
高すぎれば期待値を超えられないと感じられる。
価格はサービスそのものの価値と直結しているからこそ、
慎重に扱う必要があります。


値決めの3つの視点

とはいえはやり価格を決めるということで基準がほしいと思います。
そこでわたしたちがよく宿泊料金についてアドバイスすることとして大きく3つの視点があります。

① コストから考える
人件費、食材費、光熱費など、必要なコストを把握し、
利益が残るラインを確認する。
最低限ここを下回る価格は出血になります。

② 市場から考える
競合する宿の価格帯を参考に、自分の宿の立ち位置を見極める。
同じエリアでも平均価格に寄せるのか差別化して高めに設定するのかで方向は変わる。

③ 価値から考える
自分たちの宿が提供している体験にどれだけの価値があるかを見直す。
料理、眺望、接客、歴史。
お客様が価格以上と感じる部分はどこにあるのか。

この3つを掛け合わせて考えることが値決めの基本です。


動的な値付けという考え方

一昔前までは年間を通して同じ料金という宿も多かった。
しかし今は曜日やシーズンによって需要が大きく変わります。

平日は空室が目立つのに週末や連休はすぐに満室になる。
このギャップをならすのが
動的な値付け(ダイナミックプライシング)です。

もちろん大規模ホテルのようにシステムで自動化するのは
難しいかもしれません。
それでも混む日とそうでない日で、価格に差をつけるというだけで収益性は大きく変わります。


気づきとして

宿泊料金の値決めは、安さで勝負するか?
高単価で狙うかという単純な話ではありません。
コスト、市場、価値。
この3つを見つめながら、
自分たちの宿の立ち位置を描いていくことが大切です。

値決めは経営そのもの。
そして価格は、お客様との約束でもある。

だからこそそもそもどう考えるべきかを丁寧に問い直すことが、
宿を続けていくための第一歩になるのだと思います。

佐藤弘明
佐藤弘明
常務取締役

旅館支援歴16年|集客・ブランド設計・運営改善まで現場密着伴走|旅館業界のリアルな現場から生まれる気づきや宿の未来を共につくるための視点を日々発信しています。

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