顧客分析が進まない理由と、旅館が実践すべき5つの王道ステップ

旅館や小さな宿の経営相談で顧客分析をやりたいのになかなか進まないという声をよく耳にします。
数字を集めても形骸化し、
アンケートをとっても必要な情報が見つからず、結局なにを目標にすべきか見失ってしまう─
そんな経験をされた方も
多いのではないでしょうか。
この記事では顧客分析がなぜ進みにくいのかという現場感覚を整理しながら、
実務で役立つ「王道ステップ」を
紹介していきます。
⸻
顧客分析が進まない夜に思うこと
顧客分析をしましょう!!
会議や資料の場でよく聞く言葉です。
けれど実際に取りかかってみると、
そこから先は案外なかなかに険しい。
数字を集めてみても思ったほどの発見はなく、
アンケートを取っても読み解けない声ばかり。
必要な情報は見つからず目標もぼやけてしまう。
形骸化して、
結局進まない。。
そんな経験をした人も多いはずです。
⸻
現場でよくある迷子のパターン
先日とある宿の現場で
顧客分析の話題が出ました。
「平日と週末で客層がまるで違う」
「予約経路を比べても傾向が見えない」
「結局誰を基準に考えればいいのか」
こうした混乱の背景には、
顧客分析に対して完璧さを求めすぎている現実があります。
全体像を一気に描こうとして途中で迷子になってしまうのです。
⸻
小さな断片を拾うことから始める
本来の顧客分析は、
複雑な統計や大規模な調査だけを意味するものではないです。
もっと素朴で現場で拾える断片の中にヒントはあります。
・口コミの中で繰り返し出てくる言葉
・一番人気のプランを選んだ人たちの年齢層や同伴人数
・また来ますと言ってくれるお客様が、何に満足しているのか
こうした小さな断片を並べるだけでも、
宿が誰に愛されているのかが見えてきます。
⸻
宿泊業で使える「顧客分析の王道ステップ」
顧客分析というと難しく聞こえますが、
王道の流れは意外とシンプルです。
どの宿でも、まずはこの順番を押さえておくだけで効果が出やすいはずです。
① 顧客を分ける(セグメント化)
平日か週末か、家族かカップルか一人旅か。
まずは「誰が来ているか」を大きく分ける。
② 行動を追う(顧客行動分析)
どの経路で予約したか、滞在中に何を使ったか、口コミで何を語っているか。
予約から滞在、再訪までの流れを確認する。
③ 価値を知る(満足と不満の抽出)
「良かった点」と「改善点」を口コミや直接の声から拾う。
繰り返し出る言葉に注目すると傾向が浮かび上がる。
④ 核を決める(狙うべき層の設定)
分けた顧客層のうち、宿の魅力が一番伝わっている層はどこか。
その層を「宿の基準」として設定する。
⑤ 改善と発信につなげる
核となる層に合わせて、写真・プラン・発信内容を調整。
少なくとも3か月は同じ基準で運用して効果を確認する。
⸻
顧客分析の本当の目的
顧客分析はゴールではなく次の一手を決めるためのきっかけです。
小さな宿にとっては大規模なデータベースよりも目の前のお客様を観察することの方がずっと価値があります。
確かにに顧客を見つめる姿勢こそが、
宿を長く続けていく力になるのだと思います。
改めて時代の局面が変わりつつあると今だからこそもう一度自分たちが世の中に何を発信したいのか?それがどのように受け入れられているのか?
考えるきっかけ気づきになればと思います。

