小さな宿のサイトリニューアルは「ターゲティング」よりも「ブランディング」から始めるべき理由

宿のサイトを新しくするときについ「誰に来てもらうか」や「誰が来ているか」からリニューアルの起点を考えがちだ。
けれど、その前に決めておくべきことがある。
この宿は、何者なのか?
どう見られたいのか?
もっと言えば、何を大事にしてきたのか。
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先日リニューアル準備をしている
温泉宿を訪ねた。
館内に入ると、
控えめな花の香りと、
静かに響く足音。
窓の向こうには庭園の池の水面が
ゆるやかに揺れている。
派手な演出はないけれど丁寧に営まれている。
ここには確かな「らしさ」があった。
社長は今回は特定のお客様を狙い撃ちするより、この宿の持っている
雰囲気をちゃんと形にしたいと話してくれた。
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ターゲティングは強力な手段だ。
でも小さな宿の場合、
輪郭がぼやけたまま「この層を狙う」と決めても、言葉や写真が散らばってしまう。
反対に「自分たちはこういう宿だ」という芯がはっきりしていれば、
不思議と相性の良いお客様が集まってくる。
その芯は、
朝の光の差し方や、
湯上がりの風の温度、
客室に置かれた小さな急須の色にまで宿る。
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もちろんブランディングを整えたあとに行う
ターゲティングは、精度も説得力も違うのは
言うまでもない。
サイトの見た目を変えるだけのリニューアルは、時間が経てば色あせる。
けれど宿の本質を映し出すリニューアルは、
年月とともに深みを増していく。
だからまず誰に届けるかより先に自分たちは
何者かを描く。
それが小さな宿が選ばれ続けるために
時間は少しかかるが揺るぎない方法だと思う。
実務的に言えば、ここから始めるリニューアルはこうなる。
① まず宿の「大事にしてきたこと」を3つに絞って書き出す
② それを裏づけるエピソードや風景写真を揃える
③ 全スタッフが同じ言葉で語れるように共有する
④ その上で写真・コピー・動線を整える
ターゲティングはそのあとでも遅くない。
むしろ「芯」が固まってからの方が、
広告や発信の効果は倍以上に高まる。
サイトのデザインは変えることができても、
宿の物語は一度決めたら長く続く。
だからこそ焦らず最初を丁寧に描くことが、
すべての始まりになる。
ぜひいいスタートを皆様も切っていただければと思います!
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