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他の宿をどう見るか競合分析という「読み解く力」について

他の宿をどう見るか競合分析という「読み解く力」について

周りの宿ってどうやって予約を取ってるんでしょうね?

そんな言葉を、
宿泊施設の経営者から聞くことが多々ある。
実際宿を支援する立場として現場にいると、
そうした問いに触れる機会はかなり多い。

けれど私は、
単純に見て、真似て、売上を上げるという
アプローチではなく、
もう少し深く見ることの大切さを
伝えたいと思っている。

予約が埋まっている宿には、
それなりの理由がある。
価格だけではない。
そもそもとしての意識
見せ方、伝え方、導線、言葉。
それぞれが小さな歯車のようにかみ合って、
その宿の結果をつくっている。

──

あるとき、
よく比較される宿の口コミを
読み込んでみたことがある。

「スタッフが親しみやすかった」
「料理が地元のものばかりで嬉しかった」
「写真と同じ部屋で安心した」

決して特別なことではない。
けれどこうした声の積み重ねが、
リピートや紹介につながっていた。

競合を見るとはなぜその結果になっているかを、
見えないところまで観察し、
言葉にしていくことだと思っている。

──

では実際に何を見ていくか。

① OTA上での価格やプラン構成
② 平日と週末の稼働傾向
③ 写真の主役が「人」なのか「設備」なのか
④ プラン名の語感や説明文の雰囲気
⑤ 口コミに頻出する言葉
⑥ 自社サイトやSNSの有無と発信の内容

こうした要素を
点ではなく線としてつなげて眺めていく。
すると他の宿が何を大切にしているのかが、
じわじわと見えてくる。

とくに口コミは
よく書かれていることだけでなく、
まったく触れられていないことにも注目したい。
お客様が期待していなかった、
あるいは印象に残らなかった部分には、
まだ手を入れられる余地がある。

──

支援者の立場から見れば
競合分析は勝ち負けを測る道具ではない。

自分たちの強みや軸を見つけるための、ひとつの観察手段。
誰かと比べて足りない部分を探すのではなく、
自分たちらしさを見つけ出すために視線を外に向けてみる。

宿の方向性があいまいなときほど、
誰に、
何を、
どんな風に届けたいのかという視点が、
競合を通して立ち上がってくることがある。

──

競合は敵ではない。
同じ地域で同じようにお客様を迎えている存在だ。
だからこそそこから学べることがある。

他を見ることで自分が見える。
それは宿だけでなく、
ものづくりや商いにも通じる視点かもしれない。

焦って真似をするのではなく、
少し立ち止まって、
自分たちの宿の輪郭を確かめる時間。

今日どこかの宿が教えてくれていることを、
私たちは明日のヒントに変えることができるかもしれない。

佐藤弘明
佐藤弘明
常務取締役

旅館支援歴16年|集客・ブランド設計・運営改善まで現場密着伴走|旅館業界のリアルな現場から生まれる気づきや宿の未来を共につくるための視点を日々発信しています。

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