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お客様との話の中で。

お客様との話の中で。

とあるお客様と話していて面白い視点の話が出た。

国がなんでこんなにも宿泊施設の部屋を増やすことに積極的なんだろうか?

とてもストレートかつ率直な意見で
以前のまして確かにその動きは活発化していると感じている。
肌感としては客室はもう足りているのに。
なぜ?



最近補助金や規制緩和などを通じて、
新しい宿泊施設がどんどん増えている。

リノベーション型、
グランピング、
インバウンド向けの簡易宿所。
地域活性化や観光立国という名のもとに、
新しい宿があたかも正義のように広がっていく。

でも本当にそれでいいのだろうか。
現場でそばにいてみるとどうしても首をかしげてしまう。



すでに、
多くのエリアでは供給過多の兆しが見えている。
地方都市のビジネスホテルでは、
1泊3,000円台の値崩れが起き、
旅館では稼働率50%を下回る月が続いている。

稼働が落ちれば値段を下げる。
値段を下げれば人件費を削る。
サービスの質が落ちリピートが減る。
そしてまた稼働が落ちていく。

これは供給の問題というより、
循環の問題だ。



それでも国は新たな客室を「支援」し続けている。

背景にあるのは、「数値」で語られる観光政策だ。
◯年までに外国人観光客○千万人、
宿泊者数○億泊。
その目標に追いつくためには、
受け皿がまだ足りていないと考えられているのかもしれない。

だが現実はどうか。
受け皿は足りていないのではない。
泊まりたいと思われる宿が、
きっと足りていないのだ。



数字の帳尻を合わせることが目的化すると、
「誰のための宿なのか」が見えなくなる。

大事なのは、
もう一泊したくなる空気があるか。
また会いたくなる人がいるか。
そこにしかない物語があるか。

そうした小さな質の濃さが、
観光の本当の価値をつくっていると信じている。



客室を増やすことではなく宿の意味を深めることに投資してほしい。
それが観光立国の本当の土台になるはずだから。



佐藤弘明
佐藤弘明
常務取締役

旅館支援歴16年|集客・ブランド設計・運営改善まで現場密着伴走|旅館業界のリアルな現場から生まれる気づきや宿の未来を共につくるための視点を日々発信しています。

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