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旅館で働くということは─辞めたいの奥にある、本当の声に耳をすます

旅館で働くということは─辞めたいの奥にある、本当の声に耳をすます

「旅館で働いているけど、正直、もう限界かも」

そんな声を、最近をよく耳にするようになった。

私自身、宿泊業に関わって16年。
観光地の現場で旅館の経営者やスタッフの方と日々接している中で、
「このままじゃ続けられない」という本音は決して珍しいものではない。

じゃあ実際どれくらいの人がそう感じているのか。
それを調べてみるとデータにも現実がはっきりと表れていた。

旅館業界の辞めたくなる理由は、数字が語っている

厚生労働省のデータによれば、
宿泊・飲食業界の離職率(3年以内)は50%以上。
これは全業界の中でもトップクラスの高さだ。

特に若手に限っていえば、
「働き方がハードすぎる」
「休みが取れない」
「やりがいはあるけど、この先が見えない」

そんな声が確実に広がってきている。
この状況を、誰かの気のせいで片づけてはいけないと思っている。

それでも、なぜ人は旅館で働こうとするのか?

厳しい現実がある一方で、
旅館でしか味わえない価値も、確かにある。

① 人の心に触れられる仕事
② ありがとうが直に届く瞬間
③ その土地の魅力を伝える誇り
④ 一体感ある現場の空気
⑤ 自分の手で感動をつくれる感覚

私も現場で関わっていて感じる。
「もう無理かもしれない」と思いながらも、
「でも本当は、続けたい」と願っている人がいることを。

辞めたいの裏にあるのは、希望かもしれない

あるとき、スタッフの方が言った。

「辞めたいっていうより、このままじゃ続けられないって感じです」

私はその言葉がずっと頭から離れなかった。

やりたい気持ちはある。
でも、環境がそれを許さない。

それって本当は「続けたい」の裏返しなんじゃないかと思った。

アドグラフィーが、ここに関わる理由

私たちアドグラフィーは昔から代表がこう言っていた。

「宿で働く人の地位を上げたい」

それは単なる理想論ではなく、
今まさに、課題として目の前に立ちはだかっている現実だ。

この業界に16年関わってきて、
ようやく「関われるだけの準備」が整ってきた気がしている。

私たちは“求人の数”ではなく、
“その先にある働く人の誇り”を守りたい。

採用支援というのは、数字を動かすことだけじゃない。
働くことの意味、
続ける理由、
そして人と宿の未来を、
共に考えていくことだと思っている。

宿を辞めたい人がいる。
それは事実だ。

でも辞めたいと思わせている“何か”が変われば、
その人は、きっとまた宿で輝ける。

人がいるから、宿がある。
その順番を私たちは見失わずにいたい。

佐藤弘明
佐藤弘明
常務取締役

旅館支援歴16年|集客・ブランド設計・運営改善まで現場密着伴走|旅館業界のリアルな現場から生まれる気づきや宿の未来を共につくるための視点を日々発信しています。

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