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2025.07.03

修学旅行の今とこれから

京都の街を歩いていると、
国内外からの観光客のなかに、
今も変わらず修学旅行生の姿がある。

制服姿のその列に、
私はなぜだか目が止まってしまう。

彼らの多くは、はじめての京都かもしれない。
大人になってからまた来るかはわからない。

けれど、
その体験が心に残ったとしたら…

その宿の畳の感触や朝の味噌汁の湯気が、
「また行きたい京都」の種になっていたとしたら。

修学旅行とは、
じつは未来の観光を形づくる“静かなプロモーション”なのかもしれないとも感じている。

しかし現実は、そう甘くない。

2023年京都に訪れた修学旅行生は約81万人。
コロナ禍前に戻りつつあるその数字は、
教育旅行の強さを物語っている。

けれど受け入れ現場の声を聞くと課題も多い。

価格設定は低め。
時に連泊ではなく短時間の滞在。
団体対応によるオペレーションの負担。
現場の疲弊や経済的な採算の厳しさを
耳にすることも少なくない。

理想は、教育と観光の融合。
でも現実は採算ギリギリの受け入れ体制。

そんなジレンマの中に、京都の“いま”がある。

でも私は、それでも修学旅行を軽んじるべきじゃないとも思っている。

その理由は、
あの子たちが「未来の観光客」だからだ。

家族を連れて再訪するかもしれない。
仕事で京都に来たとき、
思い出の旅館を検索するかもしれない。
あるいは、SNSで「懐かしい」と誰かにシェアするかもしれない。

観光地のブランディングとは、
情報ではなく“記憶”なのだ。

そこで一つ、あえて斜めの提案をしてみたい。

修学旅行を旅館や地域の広告メディアと
捉える発想だ。

たとえば──
①修学旅行生が帰宅後、保護者に贈る「旅のおすそ分け」DM
②滞在中に書いた手紙が数年後に届く「未来からの再訪キャンペーン」
③もう一度泊まりたい旅館”を決めるクラス投票×プレゼント企画

そんな発想ができれば、
「一度きりの安い宿泊」ではなく、
「何年越しでも帰ってきたくなる記憶」として、
宿が心に残る。

教育旅行だからこそできる、深くてあたたかい導線があると思う。

宿はサービス業であると同時に、
人の心に残る“場所”でもある。

目の前の採算だけでなく、
10年後の再訪を信じておもてなしをする。
それは少し理想的すぎるかもしれないけれど、
私はそういう宿のあり方に未来を感じている。

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