ADBLOG

Category常務ブログ

三世代で出かける旅にいま注目している理由

三世代で出かける旅にいま注目している理由

最近、宿の現場で目にする光景がある。
祖父母、親世代、そして子ども。
三世代が一緒に過ごす旅が、
少しずつ増えてきている印象がある。

会話には世代を越えた温かさがあり、
支え合ってるななどと勝手に想像したり。
笑顔の中にも
それぞれの人生の時間が流れている。
その様子を見ていると観光の価値は
“どこに行くか”よりも、“誰と過ごすか”に移ってきたことをひしひしと実感する。



改めて今まで私たちが当たり前に見ている光景を
少しだけ今回の記事では深掘りが出来、
かつ言語化していければと思う。
自分振り返りブログになりそうですが
参考になる点もあれば良いなと思い書き進めます。

① 三世代旅行は、なぜ“いま”増えているのか?

かつて家族旅行といえば、
年に一度程度のイベントだった。
団体バスで巡る温泉地、
記念写真、
旅館の大広間での夕食。
昭和から平成にかけてはそんな旅が
一般的だった様に思う。

ところがインターネットの爆発的な普及やOTAなどの進出も手伝って個人旅行の時代になり
旅行には自由さが重視されるようになり目的地もスケジュールも分散化していく時代になる。
家族全員で足並みをそろえて出かける旅は減少していった。

そしてコロナ禍。

離れて暮らす家族が会えなくなり、
「次に会えるのはいつだろう」という不安が日常になった。

その反動として、
いま三世代旅行が再び動き出している。
祖父母と孫が一緒に過ごす時間、
親世代が安心して見守れる空間。
それは思い出づくりであり
家族ということの再確認でもある。
そう考えるとコロナ以前とコロナ以降でも変化は
著しいと感じる。

統計でもその動きは明確だ。
・2023年子ども連れの国内宿泊旅行:全体の約25%
・三世代旅行への関心:「今後もしたい」50%超(Booking.com調査)
・多世代旅行が癒しや人生の節目と結びつき、
記念日旅行と融合し始めている



② これから、もっと増えていく理由

三世代旅行のニーズはこれからさらに拡大していく可能性がある。

・団塊ジュニア世代が“親”から“祖父母”へと移行し始めている
・高齢者のアクティブ志向が強まり、国内旅行への参加意欲は高いまま
・親世代(40〜60代)の「家族で過ごす質の高い時間」への意識が高まっている
・少子化によって「一人の子ども」に家族全員が愛情と時間を集中させやすくなった

つまり三世代が同じ空間で穏やかに過ごす旅はこれからの日本社会でより自然なレジャー選択肢として浸透していく可能性がある。



③ 年の差を超えて楽しむということ

三世代旅行には世代ごとの違いを受け入れ合う余白と寛容さが必要だ。

体力の差、生活リズム、食の好み。
それぞれに異なる背景があるからこそ、
「無理に合わせない」空間設計や過ごし方の自由度が求められる。

そこにあるのは完璧な計画ではなく、
共にいるということの価値。
親が親として振る舞い、
祖父母が包み込み、
子どもは自然体で動き回る。

ただのレジャーではない。
日常と非日常が重なり合うような、
深い旅の時間が生まれている。



④ 宿が担える役割とは

この旅の形に応えるために、
宿ができることは想像以上に多い。

① 靴を脱げる安心感、座敷・和室・畳の設計
② 貸切風呂や個室食事での気兼ねのなさ
③ 記念日用の写真・ギフト・メッセージの仕掛け
④ 幼児~高齢者向けの食事調整やアメニティの拡充
⑤ アクティビティを詰め込みすぎない「余白設計」のプラン

過ごす時間そのものが記憶になる。
それを実現するために必要なのは、
華やかさではなく家族に寄り添う
設計力だと思う。



⑤ 旅は「誰と行くか」で変わる

旅が「非日常を楽しむもの」から、
「日常を大切にするもの」へと変わりつつある今。
三世代旅行は、その価値観の変化にぴたりと合致している。

遠くに行かなくてもいい。
贅沢をしなくてもいい。
ただ、誰かと一緒に過ごすだけで旅になる。

祖父母が元気なうちに。
親が子どもと笑い合えるうちに。
その今を逃さずちゃんと旅に出ること。



私はこの業界にいて、数えきれないほどの家族の旅を見てきました。
そのたびに思います。
旅は未来の記憶をつくる営みなのだと。

だからこそ。
「今この時代に必要な旅の形」として、
家族旅行の可能性をもっと広げていきたいな考えています!

佐藤弘明
佐藤弘明
常務取締役

旅館支援歴16年|集客・ブランド設計・運営改善まで現場密着伴走|旅館業界のリアルな現場から生まれる気づきや宿の未来を共につくるための視点を日々発信しています。

ページ上部へ戻る