【2024年間版】旅行・消費動向調査から読み解く2025年

2024年の実態と、2025年の観光動向
──
2024年の旅行・消費動向調査が示すように訪日外国人旅行者数は年間2,500万人超。コロナ禍前の8割に迫る回復を見せた。


コロナはどこ吹く風とばかりに、街には再び外国語が飛び交い
とくに京都や大阪などの都市部、そして一部の観光地では「以前より人が増えた」とさえ感じる声も多い。
いわゆるオーバーツーリズム化である。
たしかに数字は戻った。けれど本当に“元に戻った”とは言い切れない。
2024年の今、私たちが見ているのは、観光の回復ではなく、観光の再構築の現場だと感じている。
──
全国を見渡すと、東京・大阪・京都の三大都市圏は明確な復調を遂げている。客室単価は上昇し稼働率も高水準を維持。
たとえば京都市内のホテルの平均客室単価は、2024年に20,195円と過去最高レベルに達した。
インバウンド需要を背景に、「高くても泊まる」層の存在が見える。
一方で地方では、その波に乗れていない地域もある。
回復が早い地域にはいくつかの共通点がある。
① 明確なブランド価値(例:文化的背景、温泉地、歴史性)
② 多言語対応など、訪日客向けの受け入れ体制
③ 海外OTAや自社サイト含めSNSや動画など海外チャネルへの継続的露出
これらが整った地域は強い。
京都、金沢、広島、福岡──
その中に湯布院もあったはずだった。だが今そこに陰りがある。
──
私達の会社が大分にあるということもありインバウンドの恩恵は肌で感じている。京都や金沢などと比べると歴史という側面では少し遅れを取っているものの趣向性のある宿が規模は大きくないが点在しているエリアということもありなかなか他の地域からも類を見ない場所と言えそうだ。
だが湯布院では、韓国市場の失速が顕著になってきたように肌で感じている。
2024年後半から2025年にかけて、OTA(Agoda・Booking.com)経由の売上が半減しているという声も出ている。
背景にあるのは、為替の変動と航空券の高騰だ。
2024年は「円安で日本が安い」と言われていたが、2025年は違う。
韓国ではウォン安円高が進み、航空券も前年比で約45%上昇。
「もう、日本旅行はお得じゃない」という空気が確実に広がっている。
回復したインバウンドの数の中で、韓国市場だけが取り残されつつある。
これは湯布院だけではない。全国の“韓国依存地域”に同様の波が押し寄せている。

──
では、2025年の観光はどこへ向かうのか。
ひとつ言えるのは、「コスパで選ばれる時代」は終わりつつあるということ。
これから選ばれるのは、「この体験がしたいからここに行く」という“目的地”としての宿・地域だ。
京都や福岡など都市部が伸びているのは、利便性以上に「その場所でしか得られない体験価値」が存在しているからだ。
また、欧米豪からの長期滞在型観光客も増加傾向にあり、高単価・高満足を求める流れは続く。
一方で、自社サイトやSNSやレビューで“差”がすぐに可視化される時代。
中途半端な宿や体験は、見向きもされないリスクがある。
──
2024年は「観光が戻った」と錯覚しそうになる年だった。
でも2025年はそうした“回復幻想”が淘汰される年にななっている。
選ばれる宿と、選ばれない宿。
観光地として期待される地域と、埋もれていく地域。
その分岐点に、私たちは今立っている。
宿泊業や観光事業に関わる者として、
「戻ってくるのを待つ」ではなく、
「未来から選ばれる場所をつくる」ことが必要だと、
あらためて感じている。
──
このnoteを読んだ誰かが、
ひとつでも問いを持ち帰り、
明日の現場が変わるきっかけになればうれしい。
観光は、ただ数字を積むだけの事業じゃない。
そこにあるのは、人の記憶と、街の未来だ。
だからこそ今一度自分たちの足元をしっかりと見つめて
愚直に事業と向き合う時期に来ているのかもしれない。

