ADBLOG

Category常務ブログ

宿泊業界の採用はなぜこんなに難しいのか?それでも未来を信じたい理由

宿泊業界の採用はなぜこんなに難しいのか?それでも未来を信じたい理由

いま宿泊業界はインバウンド需要の回復もあり、コロナ禍を乗り越え、一旦のピークを迎えたように感じる。

だがその陰でじわじわと迫っているのが
「人を起点とした諸問題」だ。

特に私たちが支援している旅館という商売においては、人を介したサービスが事業の根幹にある。

接客、清掃、調理、送迎などなど
どれも「人」があって
初めて成り立つ仕事ばかりだ。
旅館にとっては人もそうだが食という面においても料理人不足も深刻だ。
厨房が回らず、提供できる食事の質や量に影響が出る宿も増えてきた。
また人手が足りずに、
売れるはずだった客室を販売できない、
そんな本末転倒な状況にも直面している。

コロナ禍ではそれがより顕著に表れた。
営業を止めざるを得なかった施設、
働き手が未来を見限って他業界へ去っていった現実経営者たちが雇用維持と事業継続のはざまで、
苦渋の決断を重ねた日々。

そんな時代を経て、今では旅館業は「なりたくない職種」で飲食業界と並ぶほどになってしまった。

それほどまでに、
宿泊業界の採用は厳しい現実を迎えている。

──

採用の難しさと現場のリアル。
まず、現実から目をそらしてはいけない。

宿泊業界の有効求人倍率は常に高い。
一般サービス業が2〜3倍台に対し、
宿泊・飲食業界は5倍以上(※2023年厚労省調査)つまり採用できる人材が絶対的に不足しているという現実。
さらには働き方としても長時間労働、休日の少なさ、賃金水準の低さ。これらがSNSの発達でリアルに可視化され若い世代の志望者はさらに減っている。

何よりも、これからの担い手からすると一番は「宿泊業界=成長しにくい」というイメージが
確実に広がってしまったことだと感じる。

この現実は、
残念ながらいまだ大きくは変わっていない。

ただ一方でこれから業界に入る人たちには夢とチャンスは確かにある。
宿泊業界は、単なるサービス業ではない。
「人を喜ばせる」「人に感動を届ける」その最前線に立てるかけがえのない仕事だ。

好きでなければできないかもしれない。
だが本気で挑戦する人には、
誰よりも早く成長できる場所でもある。

現場に立ち自分の手で
目の前のお客様を喜ばせること
その瞬間自分自身の存在価値を深く実感できる。

誰にでもできる仕事ではない。
だからこそ誇りを持てる。

ここで、あえて厳しいことも書きたい。
採用に対する経営者の意識が他業界に比べ、
宿泊業界はまだ低いと感じる場面が多い。

いまだに「募集を出せば誰か来る」「条件は変えなくても、やる気のある人が集まる」
そんな感覚で採用に向き合っているとすれば、未来は開けない。

時代はもうすでに変わった。
今求められているのは
「本気で人を惹きつける努力」と
「人を育てる覚悟」だ。

これは給料や休みだけの問題ではない。
働く人たちが、「ここで成長できる」「ここで生きていける」そう思える職場を本気でつくること。

採用できないのは、
単に市場に「人がいない」からではない。
選ばれる理由を、
私たち自身が作れていないからだ。

宿の魅力を宿泊者に届けるのと同じように、
採用市場に向けても自分たちの宿の価値を、丁寧に発信していくしかない。

なぜここで働きたいと思ってもらえるか?
相手目線で、問い直すしかない。

それでも宿泊業界の未来は確かに明るい
厳しい現実がある一方で、
私はこの業界に未来への希望を感じている。

気づけば16年以上、
私もこの業界に身を置かせてもらってきた。
振り返ると感謝しかない。

これからの日本にとって観光立国を目指す未来にとって宿泊業はなくてはならない存在だ。

人と文化をつなぎ、
土地と旅人をつなぎ、
記憶に残る「場」を生み出す。

そして時代は、
「モノ消費」から「コト消費」へ、
さらには「トキ消費」へと進化している。

どこまで行っても、
人間の豊かさの根源は変わらないと思う。

ただ泊まるだけではない、
その土地でしか味わえない体験を求める流れは、
確かに加速している。

宿泊業は、その中心に立てる仕事だ。

小さな宿でも、
小さな街でも、
世界中の人々の心に火を灯すことができる。

それが宿泊業界の未来の可能性だと、
私は信じている。

最後にもしこの記事が届いたあなたへ。
これからこの業界を目指すあなたへ。
ここには飛び込む意味があり、
挑む価値がある。
守られる側でいるのか。
自ら道を拓く側でいるのか。
すべては自分自身の選択にかかっている!
一緒に未来を作っていきましょう

拙い内容ですが、いつもこうして耳を傾けていただき感謝しています。
これからもどうぞよろしくお願いします。
──
【参照データ】
①厚生労働省「一般職業紹介状況」(2023年度版)
②観光庁「観光立国推進基本計画」(2023年版)
③総務省「労働力調査」(関連統計)

佐藤弘明
佐藤弘明
常務取締役

旅館支援歴16年|集客・ブランド設計・運営改善まで現場密着伴走|旅館業界のリアルな現場から生まれる気づきや宿の未来を共につくるための視点を日々発信しています。

ページ上部へ戻る