どんな状態から
始まったのか
きっかけは、「団体旅行のお客様から大浴場が狭いと言われたので、広くしようと思っている」という一本の電話でした。
しかし、話を聴き込むほど、課題は浴場の広さだけではないことが見えてきました。
学生団体や低価格の団体旅行を中心に、一泊二食付き一万円前後で受け入れ続ける経営。客室はあっても十分に稼働させられず、利益が残りにくい。経営者もスタッフも疲れ、お客様から高い評価を得ることも難しい状態でした。
数千万円を大浴場だけに投じても、この経営構造は変わりません。
そこで私たちは、大浴場の改修を一度後回しにし、その予算を「個人のお客様が泊まりたいと思う宿」をつくるために使うことを提案しました。
何が課題だったのか
大浴場の狭さは表面的な課題であり、根本には低価格・団体旅行に依存した経営構造があった。
個人のお客様に選ばれる客室、食事、過ごし方、販売方法が十分に整っていなかった。
限られた予算を、どの順番で、何に投じるべきかという経営上の優先順位が定まっていなかった。
どのように整理し、
進めたのか
「何を直すか」ではなく、
「どんな宿になるか」を決める
大浴場を広げることを目的にせず、これから誰に選ばれ、どのような時間を提供し、どの価格で泊まっていただく宿になるのかを、社長・女将と一緒に整理しました。
そのうえで、団体旅行中心の宿から、個人旅行のお客様に選ばれる宿へと方向性を定めました。
個人客に選ばれる商品を
段階的に整備
一度にすべてを改修するのではなく、客室の意匠変更、家族湯、玄関・フロント・ロビー、食事処、料理内容、Wi-Fi、高グレード客室などを、成果と資金繰りを確認しながら順番に整えていきました。
改修すること自体ではなく、「泊まりたい理由を増やすこと」を基準に投資を進めました。
つくった価値を、
予約につながる形で伝える
設備や料理を変えるだけでなく、ホームページ、OTA、写真、宿泊プラン、価格、予約導線まで一体で見直しました。
個人のお客様が宿の魅力を知り、比較し、納得して予約できる販売環境まで整えることで、改修を売上へつなげていきました。
どう変わったのか
団体客を低価格で受け入れる発想から、個人のお客様に選ばれる宿をつくる発想へ変わった。
客単価、稼働率、キャッシュフローが改善し、宿が自ら次の投資を選べる経営へ近づいた。
宿全体の収益力を整えたことで、当初後回しにした大浴場や露天風呂の改修にも進めるようになった。
目の前の営業を回すだけでなく、社長、女将、スタッフが次の宿づくりを楽しみに考えられる状態が生まれました。
数字で見る
投資後の変化
改修を単なる設備投資で終わらせず、客室、料理、販売環境まで整えたことで、売上と利益の両方に変化が生まれました。
段階的な投資として実施
宿泊価値の再設計による変化
個人客に選ばれる導線へ改善
次の投資を選べる状態へ
売上推移
添付資料の売上推移グラフをもとに、千円単位を万円表記へ換算しています。
この事例の空気感が
伝わる写真
この事例が
向いている方
具体的な改修を考えているものの、それが本当に今投資すべき場所なのか迷っている方。
団体客や低価格帯への依存から、個人旅行のお客様に選ばれる経営へ転換したい方。
施設改修、客室、料理、販売、ホームページを別々に考えず、ひとつの投資計画として整理したい方。


